東北の渓流の小豆洗い

俺は、あずきとぎ?の音を聴いたことがある。その日は、五月の平日で、天気は晴れ、時間はお昼位でした。大倉ダムのかなり上流にある橋のたもとから入渓して、支流をどんどん遡っていった。本流では人を見かけたけど、支流をかなり遡っても誰にも会わなかった。その当時は、ハスルアーを使ったルアー釣りが好きで、その日は山女の20cm位のを2匹ほどキープしていた。




更に遡っていくと大岩魚が水面近くを泳いでいるのが見えた。狙ったが、見事に失敗した。なんか馬鹿馬鹿しくなって帰ろうかとも思ったけど、もう少しだけ遡ってやめようと思い直して、更に奥に進んでいった。

すると、どこからともなく、シャラ、シャラ、シャラというような規則正しい音が聞こえてきた。お米をとぐような感じの音で、誰かいるのかと思って、声をかけてみた。一瞬 音が止んだので、間違いなく誰かいたのだと思った。しかし、返事もなく、またシャラ、シャラと音が聞こえだした。

なんとなく気になって、声をかけながら探してみたけど姿は見えず、返事はない。その後も5分位聞えていたが、怖くなって、すぐに山を降りた。あれ以来、渓流に釣りに入る事はなくなった。あの音は何だったんだろう。もう20年近い前の話になってしまったけど、また渓流釣りやろうかなと思ってる。

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