【不気味】深夜の球場を漂う細長い巨大な顔

3年前に体験したミステリアスな話。ウチから歩いて30秒くらいの所に公園があって、そこには甲子園の地区予選とかでも使われてる大きな球場がある。寝付けない日にはその公園に行って、夜風に吹かれながらタバコ吸ったり球場の周囲をグルっとブラつくのが日課だった。

ある日、深夜2時頃になっても寝付けず、いつもの様に公園に行き球場の周囲を歩いていると、球場の真ん中に誰かいる事に気付く。不審者が忍び込んでるのか?とよくよく見てみると、遠目からでも『人』じゃない事がシルエットで分かった。恐らくは2.5~3Mくらいはある、縦向きの白い『棒』だ。レモンみたいに両端が萎んでいて、太さは30センチくらい。『棒』が二本、球場をホバリングしながらフワフワ漂っていて、同じ場所をグルグルと探し物でもしているように動いている。なんだあれ…と思い、凝視しても一向に正体が掴めず、30分くらい見てたら眠気が来たので、その日は帰ってしまった。

翌日、正体が気になって、また深夜2時頃に公園に行ってみた。球場の真ん中を見てみたら何もおらず、気のせいだったのかな…と帰ろうとしたのだが、ふと見たら今度は球場の端、選手が控えるベンチの付近に例の『棒』がフワフワと漂っているのを発見した。ただ、今日は何故か『棒』が一本しかいない。もう一本はどこ行ったのかと見渡していると、自分が覗いていた所から10Mほど離れた球場の外に『棒』がいた。例えるなら『ムンクの叫び』の顔の部分だけ切り取って、画像処理で思いっきり縦に伸ばしたみたいなものがいて、こちらの様子を伺う様にフワフワ浮いている。球場の中にしかいないと思い込んでたのに急に目の前に現れ、「っわ…!」と声にならない短い叫び声を上げ、メチャクチャ怖くなってその場から走って逃げだした。ただ変に冷静で、このまま真っ直ぐ家に帰ったらバレる!と思い、逆方向から公園を抜けだし、ぐるっと町内一周して裏口から帰宅。

帰宅後も心臓バクバクで、その日は結局寝付けず、翌日以降はその公園には一切近づかないようにした。近所の友達や両親などに話してみたが当然誰も信じず、この公園では過去に誰か死んだとか心霊現象目撃談とか一切ない。ただ入念に調べてみるとUFOの目撃例があったらしく、ぶっ飛んだ推測だけど、あれは宇宙人だったのかもしれない。

数か月間は公園に近づく事もなかったが、それ以降は恐怖心も薄れて普通に日課として戻っているが、以来、もう二度と『棒』を目撃する事はなかった。あれは一体なんだったのだろうか…。

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