雪山で見たある奇妙な足跡

山岳隊でリーダーを務めていた男の話。雪山でキャンプをし、朝、外を見るとひとつの足跡が山頂へと続いている。やれやれ、寝すぎて誰かに先を越されたか。彼は苦笑いをした。装備をまとめ、足跡をたどって歩き出す。

いきなり雪原を踏み抜いた。腰まで埋まった彼を、慌てて仲間がつかまえる。クレバスの上に柔らかい雪が積もっていただけだった。

歩いていったのは人間ではない。そう判断した彼は、迂回して頂上を目指したという。

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