修学旅行で撮った写真の殆どが心霊写真だった

私が小さい頃に住んでいた家は、裏が墓地になっていました。それになぜか夏でも涼しくて、子供ながらに不気味に思っていたのです。母が言うには「あなたが小学校に上がる前、玄関先で写真を撮ろうとしたら、ふっと後ろを向いて皆おいで!と何かを手招きしたのよ!」ということもあったそうです。その時撮った写真には私の顔の横に手が写っていて、いわゆる心霊写真だったそうです。急いでお寺へ持っていって供養してもらい、それ以降「写真を撮る時は生きてる人間以外を手招きしないように。」と言われ続けていました。

もしかするとあの頃の私には何かが見えていたのでしょうか。そのような力には心当たりがないのですが、何度もそう言われるので常に気を付けていました。でも高校2年の終わり、修学旅行で沖縄へ行った際にとんでもない写真が撮れてしまいました。

沖縄には3泊4日で、確かひめゆりの塔や首里城へ行きました。その修学旅行の飛行機中、隣に居た友人にネタとして「昔写真を撮る時に誰もいない所で手招きしたら、心霊写真が撮れた」
という話をしていたのです。すると友人がそれを覚えていて、行く先々でふざけて「撮るよー」と誰もいない方へ手招きをしてから写真を撮っていました。止めるように言ったのですが「何も写りっこないよ~」と笑って止めませんでした。さらにはそれを見ていた他のクラスメイトも、面白がってやっていたのです。

その日泊まる宿は民宿で、大分年月が経ったような所でした。部屋も畳み敷きで廊下の外は庭があり、夜になると何か出そうな雰囲気もあったのです。夜中に男子も数名女子の部屋に来て、怖い話が始まりました。そこで私が最初に手招きの話をした友人が、それを今やろうと言い出したのです。もちろん私は止めたのですが、皆外へ肝試しへ行けない分盛り上がってしまったようでした。

庭を背景にしてカメラのタイマーをセットして、友人が「撮るからおいで!」と庭へ向かって手招きしてシャッターが下りたその時です。いきなりバン!という破裂音と共に部屋の電気が消えました。慌てて電気をつけると、手招きした友人だけがおらず、探すと庭に倒れていたのです。気を失っているようで、慌てて養護教諭を呼んできましたが、そのまま目を覚まさないので病院へ運ばれました。

翌日担任から何があったのか聞かれ全てを話すと、宿の人に「それはきっと怒って懲らしめられたんだろうね。」と言われました。何に怒られたのかは聞いても濁して答えてもらえませんでした。「あんまり悪ふざけばかりすると、そうやって駄目だよって注意されるんだよ。」と付け加えられ、それもそうだと思ったのです。友人は翌日目を覚ましたそうですが、胸の真ん中辺りに人の手の形のアザが出来ていました。誰かに思いっきり押されて凄い力で体が飛んでいく感覚があったと言います。あの時面白がっていた友人に怒った「何か」が、友人を懲らしめる為にやったのかもしれません。さらに事態はこれで終わりませんでした。

家に戻ってから修学旅行で撮った写真を現像して見てみると、全部に変な物が写っていたのです。肩の所に顔や手のようなモノがあったり、足がもう1本多く写っている写真もありました。学校で話をしてみると、カメラを持って行った皆の写真がどれもそういうモノが写り込んでいるようでした。特に手招きした時に撮った写真が、最も酷かったようです。顔が消えていたり、ぐにゃりと捩じるように写っていたり…とにかく禍々しい写真ばかりでした。学校で依頼して同行したカメラマンの写真にもそういったモノが写り込んでいたようで、担任からは再度注意されました。

他のクラスは何もなく、私達のクラスだけがこのような状況だったので、クラス全体でお祓いを受ける事になりました。私達がふざけてこんな事をしたので、怒ったモノがいたのでしょう。決して「生きている人間以外を手招きしてはいけない」と改めて思いました。

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