【登山の怖い話】満天の星空の下遭遇したモノ

これは知り合いのオッチャンに聞いた話。オッチャンと父は若い頃よく登山したそうだ。オッチャンはその後太ったり、仕事が忙しくなってだんだん山と疎遠になった

そんなある日、オッチャンは結婚をする事になった。そこで独身最後の登山をしようと思い立った。オッチャンは以前よく行った、初心者向けの山を選んだ。さすがに中~上級者向けは、体力の衰えた自分には厳しいと思ったそうだ。単独で一泊する予定でテントや寝袋を持ち、ヒィヒィ喘ぎながらの登山となった。その内、ペースを掴んでオッチャンは周りの風景を楽しむ余裕が出て来た。自然の美しさをしみじみと噛み締めながら「彼女にも見せてやりたいなあ」「子供が出来たら、連れて来てやりたいなあ」「でもちょっと痩せないとなあ」なんて思っていたそうだ。そしてなんとか目的地に到着し、テントを設営、1人食事を作って食べて寝た。

夜中に尿意で目が覚めた。懐中電灯を持って外に出る。外は満天の星空で、月明かりもあったのでライトは付けなかった。「星が奇麗だなー」オッチャンは空を見上げながら、トイレを済ませた。と、テントの後ろの薮からガサガサと音がする。動物だな、と思って気にしなかったが、音はだんだん近づいてくる。薮の揺れも激しくなる。

「なんだあ?」オッチャンはライトを付けて、薮を照らした。その瞬間、目のつり上がった黒っぽい肌をした顔と目が合った。顔だけが、薮からニュっと出ていたらしい。オッチャンはびっくりして、ライトを消した。

「猿か?猿にしては大きかった様な気もするが。人?それにしては夜中にライトも付けず薮こぎとは・・・」

オッチャンはもう一度ライトを付けて、その場を照らした。もうそこには誰も居なかった。ただ、ガサガサと薮を漕いで行く音だけが聞こえていたそうだ。


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