正月に実家の田舎で見た鬼

俺のガキの時の体験。俺の住んでいるとこは県庁所在地だったが。親父の実家が同じ県のド田舎で山の中だったんだ。冬休みになると正月を過ごすためにそこに連れられて行くのだが、其の当時はTVの入りも悪く正直行きたくなかった面もあったんだ。




その年もいつものごとく連れて行かれたんだが、従兄弟らがまだ来ておらず暇でしょうがなかった。ですることも無いので、裏の庭で一人遊んでいると突然ガサガサと音がする。そちらを見ると、どう見ても「鬼」としか見えない者が、藪の向こうからこっちを見ている。背の高さはあまり高くないが角が一本はえていて、筋骨逞しい様子はまさに絵本の中に居る鬼だった。

ガキだった俺は大声で悲鳴を上げると、爺さんが家の中から走って出てきた。それで爺さんの方に走って行ったが、其の時の爺さんの表情から考えるにまず、爺さんも見ていたものと思われる。でそのあと直ぐに檀家だったお寺に相談に行き和尚さんを連れてくると。

現場を見てもらったが「これは自分の手に負えないので、本山に頼むしかない」と言って本山から徳の高い僧を呼んでくれた。その日の内に来てくれた高僧は一生懸命祈祷をしてくれ、その後説明をしてくれた。
「どうした訳か分からないが、常世との境目が一部崩れ鬼がこっちに出てきてしまったようだ。さっきの祈祷で恐らく穴はふさいだと思うが…..」と言うことであった。幸いその後は「鬼」は出ていないが……..。

『正月に実家の田舎で見た鬼』へのコメント

  1. 名前:匿名 : 投稿日:2016/01/05(火) 02:40:01 ID:
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    鬼「穴が塞がれて、帰れんようになってもうた」

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