秩父の山の見越し入道

秩父地方に小鹿野という地域があります。そこの八幡宮に『鉄砲祭り』と呼ばれる祭礼があると聞き、見学に出掛けましたが、普段は『小鹿野車庫』止りの路線バスしかないのです…祭礼の日だけは臨時で『八幡下』に停車するのです。

慢性的に睡眠不足でもあった為、車中でついウトウトしてしまい終点の『八幡下』で運転手に起される始末…慌てて下車して神社に向かいました。祭礼が終わり、社殿の前に立つと、参道に並ぶ露店の灯りと山の端に沈んだ夕陽に浮かび上がる影絵の様な山並みに思わず撮影に夢中になってしまい、臨時バスに乗り遅れた事に気付いた私は、定期運行しているバスに乗るべく『小鹿野車庫』に向かう事にしたのです。ですが、行きのバスで眠ってしまった私にはバス停の場所が分からない為、分岐点で迷わず国道を選んで歩いてしまったんです。

車が時折しか通らない国道…右手は水田と道沿いに民家がポツポツ…左手は山でその手前に幾つかの墓石がうっすらと見えるだけと言う状況。そんな時、ある家の門の前に植えられた高い樹の根方近くに、うずくまる人影が見えたのです。その影がいきなりスルスルと伸び上がり、屋根の高さを越えたのです!咄嗟に口をついたのは「見上げ入道、見越した!」地域によって『見越し入道』『見上げ入道』『次第高』『高坊主』『乗り越し』等の呼び名はありますが、妖怪を目撃したのこれが初めてです。

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