これは昔、友人から聞いた話です。
その友人は以前、同棲しようとアパートを探していました。割と気に入る部屋を見つけ、値段も相場と比べかなり安かったので決めたそうです。しかしこのアパート、1ヶ月も居られなかったという話です。自称『霊感は強い方』という友人は、ちょっとの事では驚かないそうですが、最初にちょっと気になったのは、
・家賃が安い
・電気(蛍光灯)が部屋の中央から少しずれたところに付いている
という事だったそうです。で、ここから先は色々起こったのですが、順番はあまりよく憶えていませんので、だいたいで・・・
その1、逆さに・・・
わたしが話を聞いたのが19才の時であり、その友人はわたしより1~2才年上といっても話は更に過去の事なので、
当然友人もその同棲相手も若いので、共働きだったそうです。仕事を終えたどちらかが先に部屋に帰りつくと、灰皿が逆さまになっている。しかも入っていた吸殻が逆さになった灰皿の上にある。しかし何故か吸殻を片付けておくと大丈夫なのです。(これは何度も起こったそうです)
友人は誰かがいたずらしてるとしか思えないと、でかける前に気づかないほどの小さな小石をドアの前に並べたそうですが、誰もドアを開けた形跡は無かったそうです。そして灰皿にとどまらず、色んなものが逆さになったそうです。最初は色んな小物が、その内、ちゃぶ台くらいのテーブル(上に置いてあった物は逆さになったテーブルの上)、しまいには本人もあきれていましたが、タンス。タンスが逆さになって、上にあったものが逆さになったタンスの上に置いてあったそうです。男が2人いても大変な作業ですよね?そこまでいくと恐いというより好奇心がわいてしまいます(人事だし)
その2、夜中の音
ここから先は『その1』と同時進行中です。真夜中、猫が鳴いている。うるさいくらいの鳴き声で。次の日、隣の住人に「夕べ猫うるさかったですね」と言ったが、隣人は聞いてないという。また別の日の夜中、雨が降ってきた。これもうるさいくらいの豪雨。隣人に聞いたが、「夕べは徹夜で試験勉強してたが雨なんか降ってない」と・・・。
その3、服が落ちる
友人は部屋にロープをはり、そこへハンガーを掛けるようにしていたが、部屋に2人とも居る時に突然服がバサッっと落ちる事が何度もあったそうです。友人はクセで服の1番上までボタンをはめていたのに、「服だけ」がバサッっと落ちるのです。
その4、最後の話
その時点でもちろん大家さんには「何かあったのか?」と聞いてはみたが、何も話してはくれなかったそうです。
そして部屋を出るきっかけになった話。彼女はベッドの上で雑誌(ananかなんか)を読んでおり、友人はその横に布団を敷いて寝ていた。友人、突然金縛りになる。足元が痛い・・・とてつもなく痛い。まるで人1人が足の上に立っているように・・・。目を開ける、足元に霧だか“もや”だか煙だかわからないが、なんかある。突然その“もや”みたいなものが集まって人の形になる。友人、がばっと半身起こして金縛りを振り払ったらしい。友人かなり好戦的な性格)、「誰だお前は~!」と叫んだらしい。(本人憶えておらず、後日、彼女から聞いたらしい)その叫びで雑誌を読んでいた彼女も振り返り「きゃー」といったらしい。彼女もその人型を見たのだ。で、その途端人型の“もや”もサッっと消えたそうだ。
もちろんこれ以上そこへ住むつもりは無く、最後に大家さんに聞いたところ、首つりがあったこと。首をつったロープの後が消えず、ごまかすため電気をずらしてることを話し、天井裏に貼ってあるお札も見せてもらったらしい。たしか2人が出ていったのはクリスマス・イブと聞いたような気がした。