妖怪・怪異・八百万の神々

飴売り婆の怪

ある高等学校の校門の前に、おばあさんが現れるようになった。おばあさんは、校門を通る人に「飴はいらんか、飴はいらんか」と声をかけた。が、気持ち悪がっておばあさんから飴を貰う人はいなかった。

ある日、一人の男が通り過ぎようとすると、いつものようにおばあさんが声をかけた。試しに食べてみると信じられないくらいうまかった。男はもう一つくれと言うと、おばあさんは一日に一度しかあげられないと言った。

次の日もおばあさんから飴を貰った。ある日、男はおばあさんから飴の入ったざるを奪って逃げた。うしろからおばあさんが
「かえしてくれ!」と追いかけてきたが、男には追いつかなかった。家に帰ると飴を全部食べた。

机に座って一息ついていると、後ろの方から「かえしてくれー」と声がした。男が後ろを振り向くと、校門の前に立っているおばあさんがいた。あばあさんは何度も何度も飴を返してくれと頼んだ。男は「飴はない!もう全部食べてしまった!」
というと・・・

違う!その飴じゃない!…といって男の顔に手を伸ばし男の目を二つ引き抜いた。