妖怪・怪異・八百万の神々

本栖湖で溺れていた女性

数年前に本栖湖畔で、朝釣りのためにキャンプをしていたときのこと。夜中のたき火中に、「たすけてえええだれかあ」と女性の声が湖の方で聞こえてきて、そちらに目をやると女性が溺れていた。びっくりしたと同時に、助けなきゃと思い立ち上がったら、連れが「おまえ何する気だよ!」って引き留めるから、「助けなきゃ」と言い返したら、「おまえ、ちょっと冷静になってよく見て見ろ!ここから離れていて真っ暗なのに、何で顔がはっきり見えているんだよ!」と言うもんだから、改めて見てみた。そうしたら、水の中でばしゃばしゃ藻掻くこともやめて、じっとこちらを見ていた。
足が立つ場所じゃないのに・・・確かに暗闇のはずなのに、顔の造作までハッキリわかる。白く光っているというか。たき火は埋み火だったから、こちらの光が届くわけもなし。んでゾーっとして、言うまでもなく即刻撤収。そちらを見ないようにして作業したんだけど、視線をずっと感じていた。もう、二度と行かない・・・!