妖怪・怪異・八百万の神々

山の上に現れた光の柱

うちの爺さんの叔父だが親戚だかの話。

ある日の夕方くらいに、山の上に虹色に輝く光の柱が現れたことがあって、集落で騒ぎになったことがあったらしい。
狐か狸か、山の神か、それとも違う化物の類いか、という話になって、みんなで怖がっていた。
その傍らで一人の男が猟銃を構え、その光に向かって撃ったんだと。
光がどうなったかという話は聞かなかったけど、その男(爺さんの叔父だが親戚)は高熱を出してすぐに死んじまった。

今度は叔父の話。
山で仕事をしていて、休憩で一服している時、
何かの気配とか視線を感じてそっちを見たら、切り株の上に子供がいた。
赤茶けた麻のような長い髪と、素肌の上にちゃんちゃんこを着た子供が、自分をじっと見つめていたらしい。
何を見ているのかと視線を辿ると、腰にぶら下げた鉈が目に入った。
もしかしてこれが恐いのかなと思って、鉈を外し傍らにポンと放ったところ、
子供は安心したかのようにスーっと居なくなった。

そういう類のモノは金属を嫌うっていう話。