妖怪・怪異・八百万の神々

意地悪な祖母の家系に起きた祟り

数年前に亡くなった私の祖母は、孫の私からみても怖い人でした。私が小学生の時に、祖母が自分の姉について語ったことは、子供心にもとても嫌な記憶として残っています。

祖母の姉は15~16歳の時に、自ら井戸に身を投げて死んでしまったそうです。私は「なんで?」と祖母に聞きました。すると祖母は「あいつは馬鹿で、ちょっといじめたら井戸に飛び込んで死んでしまった」と、こともなげに言い放ったのです。悲しんでる様子もなければ、悔やんでる様子もありませんでした。私は何だか怖くなり、その日から祖母とほとんど話さなくなりました。

そして、数年前に祖母が亡くなったとき、私の姉から聞いた話は「ひいおじいちゃん(祖父の父。祖母にとっては舅)って、海で入水自殺したらしいよ。おばあちゃんに、ひどくいびられてたんだって」私はゾっとしました。祖母は生前、いったい何人の人間を追い込んでいったのだろうと思うと、本当にゾっとしました。

この世に呪いや祟りというものが、実際にあるのかどうかはわかりませんが、祖母が生んだ5人の子供(全員男)のうち、末っ子だった私の父以外の4人は、10歳になるかならないかで、みんな死んでしまったそうです。 たった一人生き残った父は、人並みに結婚もして5人の子供もできました。でも、5人とも全員女でした。それぞれ嫁に行ったので、跡を継ぐものはいません。こういうのって、因果応報っていうんでしょうかね。