妖怪・怪異・八百万の神々

全盲の千里眼爺

親父曰く、うちの曾爺さん全盲だったのよ。先天性じゃないよ。何処行くでも杖なしで歩いていったらしいし、昔のパチンコもやってたらしい。当時最新のヤマハのMate?まで所有。ブイブイ乗り回していたらしいのだ。親父も子供の頃に運転を習ったくらい。言われなければ気付かないような全盲だったらしいのよ。

なぜか全盲の割には、探し物をすぐ見つける特技があったらしい。近所の人にも頼まれることが多かったそう。何を無くし、何処を探せば見つかる、という事が分かったとの事。所謂千里眼っぽいのだが、曾爺さんは千里眼を否定していた。何故なら宗教が嫌いだったから。まぁ、なんとも言い難い曾爺さんだったわけだ。

そんな曾爺さんも寄る年波には敵わず、他界してしまうのだが、 親族集めて最後の遺言が 「新興宗教だけには入るなよ!」 だったらしい。「宗教ってのはもう1000年以上前に完成されたもので、今更若造が何を語るか!金を取るのが仕事の新興宗教は直の事!」だそうな。今の世の中を生きていたら憤死もんだ。