妖怪・怪異・八百万の神々

自分が自殺したことに気づいていない人

これは霊感のある友達から聞いた話です。
その娘は霊感が強くてよく霊を見る娘でした。ある日渋谷の交差点を少し過ぎた辺りを歩いてるとき、車道から突然 「キキー、ドーン」と物凄い音がしたそうです。振り返ってみると男の人が車に跳ねられて血まみれで倒れていました。

「ヤバい、事故だ!どうしよ~?」と思って周りを見回してもみんな知らんぷり。むしろ気づいてないようでした。そこでその娘は今のは霊で、自分には霊感があると気づいたそうです。しばらくするとその血まみれの男の霊はムクっと起き上がり歩道の植え込みの方に戻って行きました。そして意を決した顔でまた道路に飛び込みました。再びドーンという衝撃とともに宙へ舞い上がり血まみれで倒れ込みました。そしてまた起き上がり歩道の植え込みに戻っていきました…。それを延々と繰り返してるのを3回程見て彼女は帰路についたそうです。

毎回起き上がる男は凄く困った表情をしていたそうです。死ねば楽になれる!と自殺したのに結局自殺したことに気づいてない?のか「死」に縛られてしまったのか?その場所に縛られて同じ苦しみを延々と味わい続ける…その表情は正に自殺の無意味さを物語っていたそうです…死ねば楽になれるなんてことはないみたいですね。