妖怪・怪異・八百万の神々

姿なき隣人

これは父が体験した話です。
父は10代の時一人暮らしをしていました。ある時、夜中に隣からTVの音が聞こえてきました。それが、何日も続いた為、父はキレて壁を殴り「うるさい!!」と、怒鳴りました。それでも音は鳴り止まなかったそうです。

暫らくたった日。隣の人が出ていく気配がし、父はドアスコープからどんな奴だろうと思い覗き、特徴のある若い男性が横切ったのを見たそうです。それから数日たったある日。外出しようと部屋を出た父が「隣が騒がしいので、何事か」と思っている所に中年女性が歩み寄ってきて、隣に誰か住んでるか聞いてきました。父は数日前の事を言いました。

その中年女性は、男性は死んだ筈の息子だと言ったそうです。中年女性は部屋の中には家電製品はなく、紙類しかないと言ったそうです。何故家電製品がない部屋からTVの音が聞こえてくるんでしょうか。姿なき隣人は父に何を伝えたかったのでしょう。