妖怪・怪異・八百万の神々

スリッパだけの人

友人が体験した話。友人は夜家に帰ると体が重いことに気付いた。その友人は霊感が強く直感的に霊が付いてきていると思った。重い足取りで階段を登り部屋に入ろうとしたとき部屋の前にスリッパが置いてあるのに気付いた…。無論友人は家の中ではスリッパは履かない。家族の誰かが部屋の中にいるのかと思ってドアを開けた……中には誰もいなかった。

その瞬間女の声がした
「スリッパ借りたよ」
女の声が聞こえたドアを開けて部屋の外を見るとやはりスリッパは置いてある……。何なんだと思っているとスリッパが急に動きだした。そして階段をひとりでに降りていった。友人は嘘だろと思いつつスリッパについていった。

スリッパは玄関の前で止まるとまた女の声で
「またくるね」
たまに友人の部屋の前にはスリッパが置いてある……。