妖怪・怪異・八百万の神々

緑色の皮膚をした姉妹

人から聞いた不思議な話。まだ妖精が当たり前のように信じられていた時代のヨーロッパでの出来事。
ある村に二人の姉妹が迷い込んだ。彼女らは植物のような緑色の皮膚で、どこの国の言語ともつかぬ言葉を操っていた。村人は彼女らに何処から来たのか訪ねたが、怯えるばかりで何も答えようとしない。そこで村人はパンを差し出した。

彼女らは無言でパンを食べ始めたが、スグに吐き出してしまい、食事もろくにできなかった。だが彼女らは村人が渡したキノコだけは食べ、キノコが主食なのだと分かった。彼女らは何年もその村で過ごすうちに妹は死んでしまったが、姉は村人達の言葉を覚え、自分達が洞窟の奥底から道に迷ってやって来たこと、そこには自分達と同じような姿の仲間がいること等を語った。

彼女は62才でこの世を去るまでに村の男と結ばれたが子を産む事は無かった。一体、彼女らは何者だったのだろうか?