妖怪・怪異・八百万の神々

鬼門にあたる神社で遊んでしまった兄

お兄ちゃんが友達と遊んでいた時の話。
私の地元は田舎で、夜になると真っ暗で歩くのさえ不便になる。お店も、夜の12時ぐらいにはしまってしまう。真夜中に出かけたお兄ちゃん達は行く所もなく、暇を持て余していた。

仲間の一人が「肝試しに神社に行こうやあ!」と言いだした。酒を飲んでいた彼らは怖いものなしだったため、全員一致で肝試しをすることになった。向かった神社は、鬼門になっているため危ないと言われている所。鬼門は霊が出入りするため、遊び半分で近寄るのはよしたほうがいい。しかし彼らは鳥居を出たり入ったりして遊んだそうだ。

そして家に帰り一階でくつろいでいた時、誰か何か廊下でつぶやくのが聞こえたそう。お兄ちゃんは聞き取れず、耳をすますと……お兄ちゃんはゾッとした。そのつぶやきは、なにやらお経のようなものだったのだ。廊下に行き辺りを見回してみても誰もおらず、しかし声だけは続いている。

神社にいた霊たちが遊び半分で鳥居をくぐったお兄ちゃんに怒ってついてきたのだろうか?