妖怪・怪異・八百万の神々

あの部屋に、誰かいる・・・

実家に帰省したある夏休み。夜中の3時に自分の部屋でネットをしていたとき、私の携帯電話に姉から着信があったの。姉は廊下を挟んだ向かいの部屋にいるんだから、何か話したいのなら直接部屋に来ればいいはず。「なんだかオカシイな?」と思いながらも電話に出たら、着信は切れてしまった。

そこで、姉に直接何の用事だったか聞こうと思って、姉の部屋に行って、ドアを開けようとした瞬間、部屋の中から「誰かいる!」という姉の叫び声が聞こえたの。急いでドアを開けてみたら、部屋には姉以外誰もいなかった。姉が落ち着くのを待って話を聞いてみたら、寝ていた彼女がふと目を覚ますと、顔から数センチのところに黒い影があり、怖くなって悲鳴をあげたということだった。

姉の携帯から着信があったことを伝えたけれど、姉は寝ていたから電話をかけていないと言うし、なにより彼女の携帯は他の部屋に置いてあった。でも一番の不思議は、私の携帯には姉からの着信が残っていたけれど、姉の携帯の発信履歴には何も残っていなかったこと……。