妖怪・怪異・八百万の神々

黒服に連れていかれた友人の末路

この話は友人の父親から聞いた話です。


当時はUFOや宇宙人の話はそれほど有名じゃなかったそうです。山に囲まれた田舎出身の友人の父親Fが小学6年生だった頃、FとGとHの3人はUFOオタクで、近くの山でUFOを見たという話を聞き、学校帰りや休みの日に集まり山にUFOの写真を撮りに行っていたそうです。

山はGの家に一番近く、自転車で30分位で行ける場所にあったといいます。ですが、何度行ってもなかなかUFOは現れず、冬になり日も短くなってきたため、学校帰りでは暗くなるまでに家に帰れなくなってしまうため、山に行く機会も少なくなってきました。

そんなある日、Gが「昨日、山でUFOの写真を撮った!」と言うのです。Gの家は山に近いため、一人でよく行っていたそうなんです。当時はカメラもデジタルでなくフィルムだったため、現像に出しているということでした。もうGは有頂天で、写真が出来上がったら3人でお披露目パーティーをやろうと言い出し、UFO激写の興奮に酔いしれている感じだったそうです。

ですが、Gはその日を最後に行方不明になってしまったそうです。UFO写真を撮影したと報告を受けた日の帰り道、黒い服を着た大きな2人の男とGが話しているのを目撃した人がいました。

また、Gの家族が、家に黒い服の男が来たという話も聞いたといいます。まだ小さかったFには、Gがどうなってしまったのかとか、何もわかりませんし、捜索がキチンとされたのかも解らない状態でしたが、確かなのは、その日以来、Gの姿は学校からも消え、一度も会っていないという現実だけです。

その事件後、怖くなったFとHはUFOに興味を持つことを一切やめたといいます。

その後、都会に転校になったFは、転校先でUFOの写真を撮ると黒服の男が現れて連れて行かれてしまう!という都市伝説を耳にしました。ですが、その話を聞いたFは、単なる都市伝説とは思えず、怖くてGの話は誰にもしなかったそうです。