妖怪・怪異・八百万の神々

【樹海】鳥居に向かって歩いた記憶がない

私が大学一年の時です。夏の長期休みにサークルの合宿に行きました。合宿といっても親睦会のようなもので、一泊で富士急ハイランドに行きました。宿泊場所が富士の樹海の近くで、自然と夜怪談話になりました。地元の子が「この辺りに樹海の入り口に鳥居がある所がある。そして、その鳥居をくぐった人は数日以内に瀕死もしくは死んでしまうという話があって、自分の知り合いも交通事故にあって生死をさまよった」という話をしました。悪のりしたメンバーが見に行きたいと騒ぎ、仕方なく近くまでという約束でその場に向かいました。

そこに鳥居はありました。すると、一番行きたいといったメンバーが真っ直ぐに鳥居に向かって歩き出したのです。声をかけても止まらず、男性三人でやっと止め、車に戻しました。「行かない約束だっただろ」と怒鳴られたのですが、何故怒鳴られているか本人はわからないようで話が噛み合いません。本人は全くついてからの記憶がないそうです。それをきいてゾッとしてしばらく車内は無言になりました。