妖怪・怪異・八百万の神々

数年前内見した築浅格安の中古戸建を見に行ったらとんでもないことになっていた

住宅街の丘陵地の話なのですが・・・数年前、不動産探しをしていた時の事です。少ない予算でどうにか買える物件を探し、チラシ片手にあちこち訪れていました。旦那も私も自然が好きなので、雑木林や小高い山の斜面の分譲地などを中心に見て回っていました。

ある日、築浅で格安の中古物件をチラシにて発見。写真にはこんもりした森も写っていて、即効現地へ向かいました。幹線道路から少し奥まった所にあるその家は、山の斜面を削ったところに建てられていましたが、その山はお寺の一部らしく、すぐ隣の斜面が墓地。玄関脇の窓のすぐ隣に、古びた墓石が背を向けていて、それがまた軽く100年以上昔のものと容易に推測できました。それを見て、夫ともども背筋に冷たいものが走り、回り右をして逃げるように立ち去りました。しかし、その後すぐに買い手がついたらしくチラシに乗る事も二度とありませんでした。

その後どうにか手ごろな物件を購入する事が出来、転居して数年が経ちました。昨日、偶然その家の近くに来る用事があり、夫と「ついでだからあの家見に行ってみようか?」と立ち寄ってみたのですが・・・。近づくにつれ、異様な光景が目に飛び込んできました。建物は黒く煤け、二階の窓がぽっかりと空き、そこには真っ黒な虚空が二つ並んでいたのです。つい最近の出火らしく、一階の窓にはまだ生活感のあるカーテンが引かれ、窓の外にはツツジが満開になっていました。またしても、私達は大慌てで回れ右して現場を立ち去りました。

思うに、あの家の下には古いお墓から紛れ込んだ古い古いお骨が埋まっているのではないか?直感なのですが、これは半ば確信と化しています。