妖怪・怪異・八百万の神々

奥多摩のキャンプで不可解な鈴の音を聞いた話

これは作り話ではありません。本当の話です。3年ほど前のちょうど今頃、友達と二人で奥多摩に山登りに出かけた。仕事を終えてから用意し出発、林道に着いたのは24時近く。場所を探して日原川を左に見ながら、奥へ奥へと入って行った。

林道からは見えるがちょっと奥まった場所で、ここなら車も歩く人にも邪魔にはならないだろうと思いテントを張った。いつものようにラーメンを食べ、床に着いた。この日は曇っているせいか、月も星もなく暗闇で、周りにはだれもいなかった。うとうとした時に「カランコロン、カランコロン」遠くから熊よけの鈴の音が少しずつ近づいてきた

今、何時だろうと思い時計を見た。午前2時半だった。こんな時間からよく歩くよなと思っていた。音が近づいてくるのはテントの中で寝ていてもよく分かった。テントの位置から林道までは7、8メートルは離れていた。どう聞いても人の歩調のタイミングだ。
「カランコロン、カランコロン」 
音は道側から、わざわざテントの裏側まで歩いてきた。

少し怖くなって、寝袋から半身でて目を開けた。
「誰だよ うっせーな」 
少し大きめな声でわざといった。シーンとした沈黙が30秒ほど続きまた、「カランコロン、カランコロン」音は林道の方向へ向かった。少しして何か変だなと、思った。この暗闇なのにライトなしで普通歩けるかよ?友達を起こし、まだ、聞こえる音の話をした。確かに音は人のテンポだった友達は基自衛隊員、神経が図太いのかそのまま寝てしまった。

テントから出て確認したかったが、はっきりいって怖い。俺はズボンをわざとゆっくり履いて恐る恐るテントのジッパーをあげた。音は遠ざかったが、まだ聞こえている。近くに置いてあった車のハイビームをつけた。見通しはそんなに悪くはない。しかし、何もいない。本当に何もない。
「カランコロン、カランコロン」
見えないけど、鈴の音は遠ざかって行った。

背筋がぞーと寒くなって、ち〇ちんの玉がギュイーンて、上がっていく感じが今でも忘れることができない。実に不可解な出来事でした。