妖怪・怪異・八百万の神々

「あんた、死にましょかぁ~。あんた、死にましょかぁ~」

地元に伝わる話。夕暮れ時、A助が山を歩いていると、森の中に奇妙な集団を見つけた。よく見るとそれは様々な形、大きさをしたお米の集団で、何かを話していた。よく聴いてみると、誰かを驚かそうという相談のようだった。

集団の中で一番大きいお米が「由、俺の田圃乃持主、A助を驚かしてやる。」と言い放った。皆、「おぉ、頼むぞ!でも驚かすだけではチト詰らん…」 A助は驚いて、一目散に家路に着いた。幻覚でも見たんだろうと思い、其の晩は、直ぐに寝た。
 
その夜更け、物音がして目を覚ますとあの時見た大きな米が、包丁を持ち「あんた、死にましょかぁ~。あんた、死にましょかぁ~」と言いながら寄ってきて、顔と包丁を男の顔に近づけた。その後、男は気を失った。次の日、其の事を近所に話したが誰も信じなかった。