妖怪・怪異・八百万の神々

富士山の祠に小便をかけて回ったら遭難しかけた

14歳の時に友達4人で富士山に行った。朝早く着いて5合目の駐車場のある所から登った。途中にあった神棚?祠みたいな奴にしょんべんをかけて周った。

7合目あたりで他の友達はみんな下山してしまった。俺はもう頂上が見えていたので馬鹿みたいに一人で登ってしまった。途中で合流したおじさん3人組と一緒に8合目あたりまで登ったのだけど、これ以上登るとどうやら暗くなってヤバいらしいと言う事で、これまた馬鹿みたいに一人で下山してしまった。

そして迷った!というかもう遭難!辺り一面岩や石だらけしたから吹き上げるガスで5メートル先も見えないような状況であせって転がるように降り始めた。しかし斜めに進んで道をみつけようともした。多分30分ぐらいそうしていたら、霧の合い間に道が見えた。必死でそこまで走ったら、やっぱり登山道だった!!そして霧も大分晴れてきて下を見下ろすと、一人のジイサンが走って下山してた。あの人を捕まえないと!と思って俺もそのジイサンに追いついた!
『すいません、ちょっと迷っちゃって、一緒に降りてください!』

おじいさんは良く見たら70歳は余裕で超えているような感じだった。
『かわいそうだったね~、靴の裏をみせてごらん、あぁ、これなら走れるね、じゃあ付いておいで~』
それから一緒に走って下山した。途中でも何箇所も二股に分かれてたりして、コリャ一人じゃ無理だな。と思った。聞くとおじいさんは1週間に2回はこうして登ったり降りたりしてるそうだ。舗装されているアスファルトの道路に出ると、脇の林に少し入ってオニギリをわけてくれて一緒に食べた。安心したら親や友達が心配してると思って、そのおじいさんにろくに礼も言わずに俺は行ってしまった・・・。

途中ヒッチハイクしたりクロネコヤマトのお兄さんに金を借りたりして電車で帰ってきたのだけども。やっぱ祠に小便かけるのは良くないよ。あとあのおじいさんに、また会えるはずもないけど、お礼が言いたい。あ、これってオカルトじゃないかもね。ゴメン。