妖怪・怪異・八百万の神々

【時空の歪み】電車で「未来の子供」を見た話

私がまだ小学生の時の話になるから20年位前の話っていうことになります。自分で言うのもいやらしい話なのですが、私の家はまあまあ裕福な家庭で欲しいおもちゃはすべて手に入れることができました。ゲームウォッチやらスーパーファミコンなど発売されているゲーム機はすべて親から買ってもらっていました。当時、発売したばかりのゲームボーイはとくに周りのこども達からうらやましがられましたね。

ある日、私はゲームで自慢げにゲームボーイをプレイしていました。まわりのこどもは「あ、新しいゲーム機だ」というような表情を浮かべうらやましそうにこっちを見ていました。今思えばすごく嫌なガキでした。ふと、ゲームから目をそらし前を見るとそこにはゲームボーイより小さいゲーム機で遊んでいるこどもがいました。当時ゲームボーイより小さいゲーム機は「ゲームウォッチ」くらいしかなく、私はゲームウォッチをしているのだと思って覗き込みました。

しかし、驚くべきことにそのこどもが遊んでいたゲームは今まで私がみたことがないくらい高画質の画面で信じられないほどのグラフィックを表示させていました。私は驚いて、「このゲームなんての?」と聞くとそのこどもは「これはねあいふぉんだよ、ゲームは昔のだけどね」と言いました。

「あ、あいふぉん?」驚く私にこどもはさらに「これはゲームだけじゃなくて、カメラがついていたり、メールもできるんだよ」と言いました。「メール?」当時はまだメール自体が一般的ではありませんでした。目を丸くしている私をそっちのけにそのこどもは「いかなきゃ」と言って次の駅で降りていきました。

その4年後「FINAL FANTASY7」が発売されました。そのゲームは私が電車で出会ったこどもがプレイしていたゲームでした。