妖怪・怪異・八百万の神々

【恐怖体験】山小屋の雑記帳に残された不可解なメモ

登山愛好家に聞いた話。その山小屋の食堂には一冊のノートが置かれていて、宿泊者は、そこに一言残していく習慣になっている。

冬のある時期にこんな書き込みがあった。
「また、あいつらがやって来た。もう逃げられないのだろう」
「名前を呼びながら小屋の周囲を歩き回っている」
「窓の方は見ないようにしているが、時間の問題だ…」
食堂から見える全ての窓にはダンボールが貼付けられ、部屋の中央には数枚の布団が積み上げられていた。

実はこの山小屋、冬は雪と氷に閉ざされて閉鎖されてしまう。春になって小屋を開けに来た男が、食堂の異変とノートの書き込みを見つけ慌てて確認したが、外部から何者かが侵入した形跡はなかった。厳寒の冬、ここの食堂に何が居たのだろう。