妖怪・怪異・八百万の神々

神社の風

あんまり面白くないかもしれないけど、大学生の頃の話。

お盆に帰省して、盆踊りに行った。
折角帰ってきてる事だし、誰か仲の良かった友達を誘って行く事にして、
一人都合が合い、夜、現地に待ち合わせした。

合流してから、適当に屋台で食べ物買って、神社のすぐ前の2~3段の階段に腰掛けて、近況とかいろいろ話してた。

で、楽しかったんだけど、やたらはしゃいで走り回ってる子供がいて、その子がこっちの方まで来て、転んで近くにあった木製の何かにぶつかって(何だったか忘れちゃった)、その子私らの方に倒れてきたの。
その木製の何だったかは170㎝くらいあって、上の方がちょっとした丸太位の太さがあって、角材で、角も尖ってて、かなり重たかったの。
…で、それがこっちに倒れてきた。




危険な目にあった時って、脳が何とかしようとフル回転して、時間がゆっくり流れる事あるでしょ?
…私もそうなって、その中で『あっ、死んじゃう』って思った。
角がこっち向いてるし、倒れる先が完全に3人の方向。

だけどその時、「びゅうっ」って風が吹いた感じがして、目が釘付けになってた角が斜め横にずれた。
…その倒れる瞬間、“盆には(神社では)誰も死なせない”って、ちょっと仕方なさそうな感じで頭の中に聞こえた。

結局それは上手く逸れて、凄い音はしたけどすぐ横に倒れたの。
誰も怪我しないで、その子はお母さんに怒られてた。

直後私は「え!?」って感じになって、友達に「角がずれたよね!?」って聞いたら、「見てなかったからわかんない」って。

実はその神社って、私の実家(元々宮大工だったから)が建てた神社だし、 それも比較的出来たばっかりだったから、何もいないんだと思ってたんだよね。
だから、ちょっと嬉しかったよ。