妖怪・怪異・八百万の神々

深夜徘徊する肉塊

あれは私が大学生の頃。
埼玉県の仏子(ぶし)という所に住んでいる友人の家に遊びに行った時の話だ。
近所のバーミヤンにて深夜二時までくだらない話で盛り上がり、友人の家に向かって歩き始めた。




ふと見ると5mほど先に猫が道路を渡ろうと歩いているのに気付いた。

・・・?猫じゃない!
私は必死に「似たような動物」を脳内で探してみた。・・・いない。
友人「え?なにあれ?」
それは四角い体から6本の人間の手が生えた肉の塊だった。
私「とにかく走り抜けよう!」
私の合図で一気に「それ」の横を走り抜けた。住宅街の角を何度か曲がり500m程先にあるセブンイレブンの前に着いた。
もう大丈夫と後ろを振り帰ると100m程向こうから「それ」が追い掛けて来るのが見えた。

私たちはコンビニの中に入り、とにかく武器になる物を探した。見ればわかると思い店員さんにはあえて何も言わず、私は傘、友人は殺虫剤を買って待ち構えた。
しかし一時間待っても「それ」は現われなかった。ほっとしながらも拍子抜けした私たちは、怪しまれつつコンビニをあとにした。
しばらく歩くと公園があり、そこに少女が立っていた。
私「こんな時間にやばくない?あれが来るかもしれんし家まで送ってあげようよ」
友人も賛同し、少女に声をかけた。
友人「ねーねーどこの子?おかあさんは?」
少女「あれはおさむらいさんの手だよ」
友人「は?」
すると少女はスッと見えなくなった。
「ぎゃー!!!」
私と友人は全速力で逃げた!どこをどう走ったか覚えてはいないけど、なんとか友人宅につき、その夜は一睡もできませんでした。
友人曰く「あそこは宮〇つとむが少女を殺した公園なんだ」そうな。二度と近寄らねー!